米、アルカイダ系「聖戦士ラッパー」ら米国人2人に懸賞金約10億円
このニュースをシェア
【3月21日 AFP】米当局は20日、東アフリカのソマリアでイスラム過激派に所属しているとして指名手配中の「ジハーディスト(イスラム過激派戦闘員)ラッパー」として知られる男ら米国人2人について、それぞれの身柄拘束に500万ドル(約4億8000万円)の懸賞金をかけたと発表した。
米国務省のテロリストに関する情報提供を呼び掛ける報奨金プログラム「正義のための報酬(Rewards for Justice)」の指名手配リストに掲載されたのは、ソマリアを拠点に活動する国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系のイスラム過激派組織アルシャバーブ(Shebab)のメンバー、オマル・ハマミ(Omar Hamami)容疑者(28)とジハド・モスタファ(Jehad Mostafa)容疑者。
ハマミ容疑者は、通り名のアブ・マンスール・アムリキ(Abu Mansoor al-Amriki、アメリカ人の意味)のほうがよく知られている。国務省によると、米アラバマ(Alabama)州元在住で2006年にソマリアに渡り、英語のラップ音楽とビデオを通じてアルシャバーブの訓練キャンプに若者を勧誘する活動を開始した。09年にテロ組織支援容疑でアラバマの地方裁判所に起訴され、2年後には米財務省のブラックリストにも掲載されて、米国内にあった同容疑者の全財産は凍結された。昨年、米マイクロブログのツイッター(Twitter)にアルシャバーブとの決別を語る投稿があったが、本人によるものかは不明。
ハマミ容疑者は、武装作戦の指揮官としても活動しており、上官とされるのがモスタファ容疑者だ。カリフォルニア(California)州サンディエゴ(San Diego)在住だったモスタファ容疑者は、05年にソマリアへ渡り、アルシャバーブのメディア活動を支援したほか、外国人部隊を率いた。米連邦捜査局(FBI)の最重要指名手配リストにも掲載されており、09年にはアルシャバーブに物資支援を行ったとしてカリフォルニアの地方裁判所に起訴された。正確な出生年は不明で、81年生まれとも86年ともいわれている。(c)AFP