【3月20日 AFP】シリア政府と反政府派は19日、相手方が化学兵器を使用したとして互いに非難した。

 国営シリア・アラブ通信(SANA)と国営放送は、「テロリストがアレッポ(Aleppo)のカーン・アルアッサル(Khan al-Assal)に化学物質を搭載したロケット弾を発射した」と報じた。

 国営テレビは市内の病院に負傷者が搬送される様子とともに、医療関係者や住民が「毒ガス」が使われたと語るシーンを放送した。シリアの外務副大臣は31人が死亡したと述べ、国営メディアはさらに約100人が負傷したと報じている。 

 一方、反政府勢力は化学兵器の使用を否定するとともに、政府軍による長距離ミサイル攻撃で呼吸器障害が発生したと非難。政府軍による化学兵器の使用を示唆した。

 シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)はカーン・アルアッサルの政府軍陣地に対地ミサイルが発射され兵士16人と民間人10人が死亡したが、このミサイルが化学物質を搭載していたかは不明だとしている。

 ロシア外務省は、反体制派が化学兵器を使用したという情報をシリア政府から得ていると発表し、シリア情勢の一層の混迷への懸念を表明した。米政府は、シリア反体制派が化学兵器を使用したという証拠はないとしている。英政府は、化学兵器の使用が事実ならシリア内戦への対応姿勢を見直すと表明した。(c)AFP