【3月5日 AFP】北アフリカを中心に活動する「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(Al-Qaeda in the Islamic MaghrebAQIM)」の情報筋は4日、西アフリカ・マリで仏軍が行った空爆により同組織の最高幹部の1人、アブデルハミド・アブゼイド(Abdelhamid Abou Zeid)司令官が死亡したことを認めた。一方、同じく死亡が伝えられていたイスラム武装組織の指導者、モフタール・ベルモフタール(Mokhtar Belmokhtar)司令官は生存していると主張している。

 AQIMの戦闘員がモーリタニアの通信社サハラメディア(Sahara Media)に語ったところによると、アブゼイド司令官は先週、マリ北部のイフォガス(Ifoghas)山岳地帯で、フランス軍の空爆によって殺害された。

 一方、1月にアルジェリアで外国人37人が犠牲になった天然ガス関連施設襲撃事件の首謀者とされるベルモフタール司令官について、チャド政府は先週末、同国軍が殺害したと発表していたが、AQIMの情報筋はこれを否定。同司令官は生存しており、現在も戦闘を続けていると述べた。

 アブゼイド司令官は、2010年にニジェール共和国で誘拐されたフランスの民間人4人を人質として拘束しているとみられていた。

 人質の親族らからは、人質の安全な解放に向けた交渉を進めるため空爆を一時中断するようフランス政府に要請する声が上がっていたが、仏軍のエドゥアール・ギヨー(Edouard Guillaud)参謀総長は、「人質が現在どこにいるかは不明だが、その(空爆を実施している)場所にはいないとみている。でなければ、空爆は行わない」と述べている。(c)AFP/Angus MacKinnon