【3月4日 AFP】マレーシア・ボルネオ(Borneo)島のサバ(Sabah)州センポルナ(Semporna)で2日、治安維持に当たっていた警察官を、待ち伏せしていた武装勢力が奇襲する事件が起き、警察官5人と武装勢力2人が死亡した。マレーシア警察のイスマイル・オマル(Ismail Omar)長官が発表した。

 センポルナは、100~300人のフィリピン人武装集団が2月12日から立てこもっている同州タンドゥオ(Tanduo)村から約300キロメートル離れている。この武装集団は、サバ州一帯をかつて支配していたスールー(Sulu)王国のスルタン(君主)の末裔(まつえい)を自称するジャマルル・キラム3世(Jamalul Kiram III、74)の支持者だと名乗っており、2日にはマレーシア治安部隊との銃撃戦で双方に14人の死者が出た。

 マレーシア当局は冷静な対処を呼び掛けているが、メディア報道によれば現地には混乱が広がっており、治安状況の悪化が懸念されている。

 センポルナで警察官を奇襲した武装集団の行方は分からなくなっているが、オマル長官によると同州Kunakでも別の武装集団を追跡していることから、キラム3世の支持者やその他の武装勢力が活動を活発化させつつあるのではないかとの恐れも出ている。これら勢力の多くはフィリピンからの移民であるという。(c)AFP