【3月1日 AFP】バングラデシュで1971年に起きた独立戦争中、戦争犯罪を犯したとされるイスラム政党指導者に絞首刑判決が下ったことを受けて28日、これに反発したイスラム教徒らが暴徒化し、少なくとも34人が死亡した。

 イスラム政党「イスラム協会(Jamaat-e-Islami)」のデルワル・ホサイン・サイディー(Delwar Hossain Sayedee)副党首はこの日、殺人、放火、強姦(ごうかん)などを含む戦争犯罪で有罪となった。これに抗議する人々と警官隊が衝突し、少なくとも23人が銃弾を受けて死亡した。

 また、バングラデシュ北部ガイバンダ(Gaibandha)の警察署長がAFPに語ったところによると、同地区では抗議に集まった数千人の人々が手製の小型爆弾を投げ込むなどして警察署を襲撃、警官4人が死亡した。うち2人は殴殺されたという。医師や警察、地元メディアによると、警官を含む約300人が負傷した。

 この日の裁判でサイディー被告は、ヒンズー教徒の村で家屋25棟に放火し、またヒンズー教徒の男性1人を含む2人の殺害をほう助した罪で有罪判決を受けた。またサイディー被告は、ヒンズー教徒の姉妹3人を拉致し、野営地で3日間にわたり強姦を繰り返したパキスタン中央政府派の民兵を指揮した他、ヒンズー教徒少なくとも100人にイスラム教への改宗を強要したとされた。

 一方、サイディー被告の弁護士は、判決は「重大な誤審」であると述べ、これらの犯罪行為が行われたとき、サイディー被告は町にはいなかったと主張している。

 最高裁が今回の判決を支持すれば、サイディー被告の絞首刑は年内に執行されることになる。(c)AFP/Shafiq Alam