【2月26日 AFP】2年に及ぶ衝突を終わらせるための「次のステップ」を話し合う国際会合に向けた外交交渉が活発化する中、アサド政権のワリード・ムアレム(Walid al-Muallem)外相は25日、シリア政府に武装反体制派と話し合いを行う用意があると表明した。

 モスクワ(Moscow)で行われた会談でムアレム外相は、「対話を望むすべての者と対話する用意がある。これには武装している者も含まれる」とセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)露外相に述べた。シリアの閣僚がこのような提案を行うのは初めて。

 ロシア政府は反体制とシリア政府に対し、紛争終結に向けた直接交渉を行うよう再度呼び掛け、軍事的な勝利を目指すことはシリアの破壊につながる危険性があると忠告した。ロシアは、シリア政府と関係を維持している数少ない大国の1つだ。

 またジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官は、ムアレム外相の対話の呼び掛けに対し「スカッド(ミサイル)がアレッポ(Aleppo)の罪なき人々に降り注ぐ中で、対話の用意があるという彼ら(シリア政府)の発言を真剣に受け止めることは、極めて困難なことであると思える」と訪問先のロンドン(London)で語った。

 反体制派の自由シリア軍(Free Syrian ArmyFSA)のセリム・イドリス(Selim Idriss)参謀長も、「殺りくが中止される、または都市部からの軍隊の撤退があるまで、アサド大統領やその徒党らと交渉の席に着くことはない」と、中東の衛星テレビ、アルアラビーヤ(Al-Arabiya)で語った。

 一方で、同盟9か国を歴訪中のケリー国務長官は25日、ローマ(Rome)で28日に開かれる「シリアの友人たち(Friends of Syria)」へのボイコットを表明していたシリア反体制派の説得を行い、反体制派の会合参加を取り付けた。(c)AFP