【2月4日 AFP】イラク北部の都市キルクーク(Kirkuk)で3日、警察本部を狙った自爆攻撃があり、30人が死亡、70人が負傷した。

 目撃者によれば、警察車両のように塗装して爆弾を積んだ車が警察本部前の検問所で爆発。続いて警察官のような服装をして胸に爆弾を巻いた男が少なくとも3人、手りゅう弾を投げながら警察本部に向かって乱入してきたが、入り口の手前で射殺されたという。

 3日の攻撃で犯行声明は出ていないが、イラクでは国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系を含むイスラム教スンニ派武装組織が、宗派間の対立をあおるために治安当局や政府機関を狙った攻撃を繰り返し起こしていた。

 首都バグダッド(Baghdad)から240キロ北にあるキルクークは、中央政府と北部のクルド自治区が領有権を主張している地域のほぼ中心に位置する。武装勢力は中央政府とクルド自治区の治安部隊間の連携が不十分なことを利用してキルクークとその周辺で攻撃を仕掛けてくることが多い。

 イラクではこの数週間、ヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)首相の辞任を求める抗議行動が続き、マリキ首相がかつて連立政権を組んでいた勢力と対立する政治危機に陥っている。(c)AFP/Marwan Ibrahim