【1月25日 AFP】英外務省は24日、昨年9月に米領事館襲撃事件が起きたリビア東部ベンガジ(Benghazi)で「欧米人に対する具体的かつ差し迫った脅威」があると警告した。英国ならびにドイツ、オランダの各政府は同日、ベンガジに滞在する自国民に直ちに同市から離れるよう勧告した。

 英外務省は声明で、「われわれはベンガジの欧米人に対する具体的かつ差し迫った脅威を察知しており、退去勧告に反して同市に滞在している英国人には即時退去を求める」と発表した。

 この数時間前には、デービッド・キャメロン(David Cameron)英首相が先週アルジェリアの天然ガス関連施設で起きた襲撃事件について、世界各地における「殺意を持ったテロリストに対する長期的な戦い」の一部に過ぎないと述べていた。

 ベンガジでは今月に入り、イタリア領事が乗った車に対する発砲事件があり、イタリア領事は無傷だったものの、治安への懸念が一層高まっていた。

 アルジェリア・イナメナス(In Amenas)で英エネルギー大手BPなどが操業する天然ガス関連施設で先週起きた襲撃事件では、人質となった外国人少なくとも37人とアルジェリア人1人が殺害され、北アフリカ地域で勢力を増すイスラム過激派への懸念がいっそう高まっている。

 独外務省もその後発表した声明で、英外務省と同様の情報を得たとして、自国民に対しベンガジ市とその周辺から直ちに退去するよう勧告。オランダ政府もベンガジとその周辺を訪れる国民に対し警告を発した。

 一方、リビア政府は英政府の警告に反発。ベンガジでの脅威を示す新たな情報は得ていないとして、英政府に説明を求めた。リビア内務副大臣は「ベンガジに治安上の問題があることは認識しているが、英政府の対応を正当化する新たな情報は得ていない」と述べている。(c)AFP/Alice Ritchie