【1月24日 AFP】北大西洋条約機構(NATO)は23日、内戦状態のシリアから脅威を受けているとして加盟国トルコに配備を進めている地対空ミサイルパトリオット(Patriot)が、今週末にも部分的に運用可能になる見通しだと発表した。

 発表したゲイリー・ディーキン(Gary Deakin)英陸軍准将によると、運用開始が予定されているのはオランダが提供し、トルコ南部のアダナ(Adana)に配備される2ユニット。また、ドイツの2ユニットが南東部のカフラマンマラシュ(Kahramanmaras)県に、米国の2ユニットが国境から北に50キロメートルほどのガジアンテプ(Gaziantep)に配備される。ディーキン准将によれば、「今月末には全面的に運用可能になる」という。これらのパトリオットを提供する各国は最大350人規模の部隊をトルコに派遣する。

 トルコは昨年10月、シリアから発射された砲弾が国境周辺の村に着弾し住民に死者が出たことを受けてNATOに支援を要請。NATOは同12月、航空機や短距離ミサイルを迎撃できる米国製のパトリオットミサイルの配備を承認した。

 シリアを支援するイランとロシアは地域の紛争を拡大させるとして配備に反対するとともに、NATOの関与を深めるとして警戒感を示しているが、NATOはこの措置について純粋にトルコの防衛が目的だと主張している。(c)AFP