【1月24日 AFP】国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)と関連のある武装勢力と暫定政府側の間で戦闘が続いている西アフリカ・マリで23日、仏軍が実施中の軍事作戦を引き継ぐことを目指して近隣のアフリカ諸国から派遣された部隊が同国中部へ向けて進軍を開始した。ローラン・ファビウス(Laurent Fabius)仏外相がパリ(Paris)で明らかにした。

 ファビウス外相は、西アフリカ諸国とチャドが派遣した1000人の部隊が既にマリに到着しており、展開のスピードは「想定より大幅に速い」と述べた。

 国連(UN)は、15か国が加盟する西アフリカ諸国経済共同体(Economic Community of West African StatesECOWAS)が3300人の部隊をマリに派遣することを承認した。これに加えチャドも2000人の部隊を派遣する方針のため、かなり大規模な派兵規模になるとみられる。

■マリ軍兵士による即決処刑の情報も

 仏軍のマリ介入開始から2週間近くがたった中、マリ暫定政府軍の兵士が即決処刑や人権侵害を行っているという疑いが浮上しており、肌の色が薄い民族のコミュニティーでは襲撃されるのではないかという恐怖が高まっている。政府軍が掃討している武装勢力の大半はトゥアレグ(Tuareg)人やアラブ系だ。

 国際人権連盟(FIDH)は現地の調査員らの情報として、中部の町セバレ(Sevare)の軍事基地で11人が処刑されたと発表。また、同地域でこれとは別に約20人が処刑され、遺体が井戸に捨てられるなどしたという信頼度の高い情報もあると述べている。同じく同国中部にあるニオノ(Niono)でもトゥアレグ人2人がマリ軍兵士らに処刑されたという。

 同連盟は、人権侵害の規模を特定して加害者を処罰するため、独立した調査を早急に行う必要があると訴えている。(c)AFP/Serge Daniel