【12月24日 AFP】反体制派が制圧していたシリア中部ハマ(Hama)県のハルファヤ(Halfaya)で23日、政府軍がパン直売店を空爆して60人以上が死亡、少なくとも50人が負傷した。死傷者には女性と子供も含まれ、負傷者の多くは重体だという。シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)が明らかにした。

 シリア人権監視団が公開した素人が撮影したとみられる動画には、爆撃された1階建ての建物のブロックと大きな穴が空いた道路が捉えられ、路上やがれきの中に血まみれの遺体があるのも見えた。「ミグ(ジェット戦闘機)が攻撃した!アサド(大統領)の兵器を見ろ!世界よ!ハルファヤの虐殺を見てください!」という撮影者の声も入っていた。

 ハマは反政権感情が強い地域で、反体制派は17日にハマ全域で政府軍の陣地に対する総攻撃を開始していた。夏の間を通して人権団体は、政府軍がシリア北西部のアレッポ(Aleppo)県でパン直売店やその周辺に空爆や砲撃を加えるという戦争犯罪を犯していると非難していた。

 一方、シリア問題をめぐる国連(UN)とアラブ連盟(Arab League)のラクダール・ブラヒミ(Lakhdar Brahimi)合同特別代表は23日、ダマスカスの空港に通じる道路で反体制派と政府軍の戦闘が続いているため、レバノンから陸路でシリアの首都ダマスカス(Damascus)に入った。

 ブラヒミ氏は前回10月19日にシリアを訪問した際、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領をはじめとするシリア政府高官と会談し、イスラム教の犠牲祭「イード・アル・アドハ(Eid al-Adha)」に合わせた一時停戦を目指したが、停戦は実現しなかった。(c)AFP