エジプト、軍が政治勢力間の対話を呼びかけ カイロではデモ続く
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【12月12日 AFP】エジプトのアブデル・ファタハ・シーシ(Abdel Fattah al-Sissi)軍最高評議会議長兼国防相は11日、新憲法制定のための国民投票をめぐって深まる政治対立を解決するため、ムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)大統領と世俗派の反大統領勢力に対話を呼び掛けた。
交流サイト(SNS)フェイスブック(Facebook)の軍の公式ページ上に投稿された声明によると、シーシ議長は「エジプトのため」に行ったというこの呼び掛けの中で、国内の全政治勢力に対し、カイロ(Cairo)にある軍のスポーツ施設で12日に開催する会合に出席するよう要請した。
一方、声明が発表された11日、カイロでは15日に予定されている国民投票に反対する数万人がデモを行い、モルシ大統領とイスラム勢力が進める新憲法草案に抗議した。
大統領宮殿前で先週行われたデモでは対立するデモ隊同士が衝突し7人が死亡したことから、11日のデモでも同様の事態が懸念されていたが、今のところデモが暴力に発展したという報道はない。
■暴力が激化すれば軍の介入も
この日のデモでは国民投票に反対する数千人が大統領宮殿前に集まり金属やコンクリートでできたバリケードを破壊。現場の兵士数百人は一時撤退を余儀なくされた。だがデモ隊は宮殿の敷地内に押し入ることはせずに、お祭り騒ぎといった雰囲気でモルシ大統領を批判するシュプレヒコールを繰り返した。
反モルシ派デモに対抗し、大統領宮殿から数キロ離れた場所では、これよりはるかに大規模なイスラム教系のデモも行われた。これには国民投票を支持する数万人が、反モルシ派と同じく穏やかながらも決意に満ちた様子で集まった。
国民投票を取りやめない限り対話には応じない構えをみせていた主要な野党の連合体「国民救済戦線(National Salvation Front)」は、軍主催の会合への出席を慎重に検討している。
政治アナリストのエマド・ガド(Emad Gad)氏は「暴力的な衝突、特に街中で血が流されるような事態になれば軍は確実に介入するだろう」と述べ、国民投票をめぐる問題の解決策が見出せなければ大きな影響力を持つ軍が介入し、6月にモルシ氏が大統領に就任したことで失った政治的支配力を再び手にする可能性があると指摘した。(c)AFP/Mona Salem and John Davison
交流サイト(SNS)フェイスブック(Facebook)の軍の公式ページ上に投稿された声明によると、シーシ議長は「エジプトのため」に行ったというこの呼び掛けの中で、国内の全政治勢力に対し、カイロ(Cairo)にある軍のスポーツ施設で12日に開催する会合に出席するよう要請した。
一方、声明が発表された11日、カイロでは15日に予定されている国民投票に反対する数万人がデモを行い、モルシ大統領とイスラム勢力が進める新憲法草案に抗議した。
大統領宮殿前で先週行われたデモでは対立するデモ隊同士が衝突し7人が死亡したことから、11日のデモでも同様の事態が懸念されていたが、今のところデモが暴力に発展したという報道はない。
■暴力が激化すれば軍の介入も
この日のデモでは国民投票に反対する数千人が大統領宮殿前に集まり金属やコンクリートでできたバリケードを破壊。現場の兵士数百人は一時撤退を余儀なくされた。だがデモ隊は宮殿の敷地内に押し入ることはせずに、お祭り騒ぎといった雰囲気でモルシ大統領を批判するシュプレヒコールを繰り返した。
反モルシ派デモに対抗し、大統領宮殿から数キロ離れた場所では、これよりはるかに大規模なイスラム教系のデモも行われた。これには国民投票を支持する数万人が、反モルシ派と同じく穏やかながらも決意に満ちた様子で集まった。
国民投票を取りやめない限り対話には応じない構えをみせていた主要な野党の連合体「国民救済戦線(National Salvation Front)」は、軍主催の会合への出席を慎重に検討している。
政治アナリストのエマド・ガド(Emad Gad)氏は「暴力的な衝突、特に街中で血が流されるような事態になれば軍は確実に介入するだろう」と述べ、国民投票をめぐる問題の解決策が見出せなければ大きな影響力を持つ軍が介入し、6月にモルシ氏が大統領に就任したことで失った政治的支配力を再び手にする可能性があると指摘した。(c)AFP/Mona Salem and John Davison