【12月12日 AFP】シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領が属するイスラム教シーア派の分派、アラウィ派の住民が暮らす同国中部の村で11日、銃撃と数回の爆発があり125人以上が死傷したと、シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)が明らかにした。

 当初、死傷した125人は全て民間人だと発表されていたが、シリア人権監視団は後に、人数は不明だが死傷者の一部は戦闘員だったと修正した。

 同監視団のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)代表はAFPに、アクラブ(Aqrab)の村で起きた銃撃と爆発によって125~150人が死亡したと語った。同監視団には現地の活動家らから情報が寄せられているが、中には互いに矛盾するものもあるという。

 シリア中部の都市ハマ(Hama)から約40キロメートル離れた位置にあるアクラブは、住民のおよそ3分の2はスンニ派で残りはアラウィ派。銃撃などがあったのはアラウィ派が多い地区だったという。アクラブは5月25日に子供49人、女性34人を含む108人が虐殺されたシリア中部のホウラ(Houla)にも近い。

 シリア人権監視団は国連(UN)に、シリアおよびアラブ諸国の法律家による、透明性が確保された独立調査団を立ち上げ、アクラブをはじめとするシリア各地で起きた虐殺を調査するよう訴えた。(c)AFP