【11月20日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)では19日もイスラエル軍による攻撃が続き、この日だけで30人のパレスチナ人が死亡した。イスラエル軍が攻撃を開始した14日以降のガザ地区での死者は107人となった。

 ガザ市(Gaza City)では、パレスチナと外国の報道機関が入ったビルが前日に続いてイスラエルのミサイル攻撃を受け、イスラム原理主義組織「イスラム聖戦(Islamic Jihad)」の幹部が殺害された。前週末の空爆で一家9人が犠牲になったガザ市の家族の葬儀には大勢が詰め掛け、亡くなった5人の子どもの小さな遺体がパレスチナの旗に包まれて通りを運ばれた。

 イスラエル軍は、これまでにガザ地区の1350か所を超える目標を攻撃したと発表した。また19日にイスラエル国内に着弾したロケット弾は42発、防空システム「アイアン・ドーム(Iron Dome)」で迎撃したのは19発で、これまでにイスラエル南部に着弾したロケット弾は640発、迎撃したものは324発になったという。

■停戦に向けた交渉続く

 国連(UN)の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長はエジプトのカイロ(Cairo)に入り停戦に向けた努力を続けた。

 ガザ地区を支配するハマス(Hamas)の政治部門最高指導者ハレド・メシャール(Khaled Meshaal)氏は、ハマスとしても停戦に向けて努力しているが、その条件としてイスラエルが6年前から続けているガザ地区の経済封鎖を解除しなければならないと述べた。

 専門家の間では、来年1月22日に総選挙を控えたイスラエルの政権幹部は今回の「護りの柱作戦(Operation Pillar of Defence)」の戦果に満足しており、停戦を受け入れる用意ができているかも知れないという見方も出ているが、イスラエル政府は作戦を拡大する構えも見せている。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相ら同国の政権幹部は停戦に同意するか、あるいは軍事作戦を拡大するか協議していると報じられている。イスラエルの公共ラジオは、19日にカイロでイスラエル側とパレスチナの代表が丸1日かけて間接的に交渉したことを受け、ネタニヤフ氏らイスラエルの政権幹部は同日夜、エジプトの停戦案について検討すると報じた。

 イスラエルの公共ラジオによると、イスラエルは24時間、あるいは48時間の停戦を実施し、その間に完全な停戦に向けた細かい条件について交渉することを希望しているという。紛争終結を目指してカイロで19日に非公開で行われた交渉は合意に達することなく終わったが、全当事者が交渉を続ける意思を見せている。(c)AFP/Sara Hussein