イスラエル、ガザ地区への攻撃を継続 テルアビブにもロケット弾
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【11月16日 AFP】14日にガザ地区の空爆を始めたイスラエルは、15日もパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)への攻撃を続け、ガザ地区での死者は19人に増えた。
イスラエルは14日の空爆で、ガザ地区を実効支配しているイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)軍事部門の幹部、アハマド・ジャバリ(Ahmed Jaabari)司令官を殺害している。
ハマスはイスラエル南部にロケット弾を撃ち込み、これまでにイスラエル人3人が死亡、19人が負傷した。テルアビブ(Tel Aviv)のすぐ南の海にもロケット弾1発が落下し、これはガザ地区からのロケット弾としては、これまでで最も遠くまで飛んだ砲弾となった。
ガザ地区のイスラム原理主義組織「イスラム聖戦(Islamic Jihad)」は、このロケット弾は自分たちが撃ち込んだイラン製のファジル5(Fajr 5)だと発表した。テルアビブではサイレンが鳴り響き、テレビは避難しようと走り回る人たちの姿を放送した。
イスラエルの報道によると、テルアビブに砲弾が発射されたのは、イラクがスカッド(Scud)ミサイルを撃ち込んだ1991年の湾岸戦争(Gulf War)以来だという。
ガザ地区では夜になって本格的な空爆が再開され、あちこちで爆発音が聞こえた。イスラエル軍は、ガザ地区の武装勢力から380発以上のロケット弾を撃ち込まれ、うち274発はイスラエル南部に着弾したが、112発は同国の防空システム「アイアン・ドーム(Iron Dome)」で迎撃したと発表した。また、ガザ地区のロケット弾発射陣地など少なくとも225の目標を攻撃したとしている。
ガザ地区の医療関係者と国連(UN)筋によると、ガザ地区では15日にパレスチナ人11人が死亡した。死者には武装勢力の戦闘員5人、子供2人、国連が運営する学校の教師1人と兄弟2人が含まれているが、兄弟2人が戦闘員なのか一般市民なのかは現時点では不明。
米政府がエジプト政府に暴力の停止に向けて影響力を行使するよう求めている中、エジプトのヒシャム・カンディール(Hisham Qandil)首相は16日に急きょガザ地区を訪問する。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は攻撃を拡大する姿勢を示している一方、ハマスは一切の停戦協議を拒否する構えを崩していない。(c)AFP/Adel Zaanoun