【10月26日 AFP】シリアの政府軍と反体制派の主要グループは、イスラム教の犠牲祭「イード・アル・アドハ(Eid al-Adha)」に合わせて26日から4日間停戦すると発表した。この停戦は国連(UN)とアラブ連盟(Arab League)のラクダール・ブラヒミ(Lakhdar Brahimi)合同特別代表が呼びかけていた。

 シリア軍は25日、テレビを通じて声明を発表し、「イード・アル・アドハに際し、シリア全土で26日朝から29日まで軍事行動を停止する」と明らかにした。

 ただし、「武装テロリストグループが民間人や政府軍部隊、公共あるいは民間の不動産への攻撃、自動車爆弾および簡易爆発装置の使用を継続」したり、反体制派が支配下の拠点を増強したり、弾薬の補給を受けたり、反体制派戦闘員が国境を越えて近隣諸国に入ったりすれば対応すると警告した。

 イード・アル・アドハはシリア時間26日午前5時半(日本時間同日午後0時30分)ごろとみられる日の出の礼拝で始まる。

 軍の発表から間もなく、反体制派の主要なグループの1つ、自由シリア軍(Free Syrian ArmyFSA)も政府軍が停戦を順守する限りは武器を置くと述べて、停戦に前向きな姿勢を示した。ただし、AFPの電話取材にトルコから応じたムスタファ・シェイク(Mustafa Al-Sheikh)FSA軍事評議会議長は「相手が1発撃ってきたら、こちらは100発撃ち返す。反撃する権利は留保する」と述べるとともに、反体制派の各グループはそれぞれ個別の指揮系統で動いているので、他のグループの停戦に対する対応について語る立場にはないと述べた。

 国連安全保障理事会(UN Security Council)は今週、この停戦案を支持していた。潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)国連事務総長は、双方が停戦の約束を守るか世界が注目していると述べた

 米国務省のビクトリア・ヌーランド(Victoria Nuland)報道官は、「単に停戦について言うだけでなく、まずは政府側からきちんと実行することを期待している」と述べ、米政府として停戦が順守されることを望む姿勢を示した。(c)AFP