【10月25日 AFP】リビア暫定政府側の民兵部隊は24日、前年の内戦で殺害された最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の支持派勢力の最後の拠点の1つとされる西部バニワリド(Bani Walid)を制圧した。現地のAFP特派員が伝えた。

 バニワリドを制圧した数百の民兵の大半は、この町と昔から対立関係にあるミスラタ(Misrata)市の元反カダフィ派民兵だという。戦闘のきっかけは、ミスラタ出身のオムラン・シャーバン(Omran Shaaban)さん(22)がバニワリドで数週間にわたり拘束され、その時のけがが原因で前週に死亡した事件だった。シャーバンさんは内戦でカダフィ大佐を捕らえた人物とされており、拘束中には銃で撃たれたほか、拷問も受けたとされている。

 内戦では敵同士として争ったミスラタとバニワリドの間では前週から戦闘が激化し、暫定政府軍も介入する事態となっていた。バニワリドでは21日以降、住民や外国人労働者が町外へと避難したため、現在町はゴーストタウンと化している。

 リビア暫定政府は、前年の内戦中に起きた犯罪行為との関連で、バニワリドのカダフィ派戦闘員約100人の身柄を拘束したと発表した。

 バニワリドで続いた旧政権派と現政権派の戦闘は、カダフィ大佐の死亡から1年の節目に沸くリビアに影を落とし、分裂したリビア国民の和解が困難であることを浮き彫りにした。(c)AFP/Imed Lamloum