「核兵器の全廃を」 ゴルバチョフ氏、条約批准しない米国を批判
このニュースをシェア
【10月9日 AFP】ミハイル・ゴルバチョフ(Mikhail Gorbachev)元ソ連大統領は8日に公開されたインタビューで核兵器の全廃を呼び掛け、またこの問題にほとんど取り組んでいないとして米国を真っ向から批判した。
ゴルバチョフ氏は、ウィーン(Vienna)に本部を置く包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)準備委員会の動画インタビューの中で「核兵器をどうすればよいか。その答えは、一掃だ」と語った。
また「あらゆる国の軍事的優位に立つ超軍備国は、今もなおアメリカだ。そしてアメリカは(核兵器の)問題を避けている」と米国を厳しく批判した。
インタビューは9月4日にロシア語で行われた。動画には英語の字幕が付けられ、1986年10月11~12日に行われたレイキャビク・サミットの記念日を前に、準備委のウェブサイトで公開された。
1986年のレイキャビク・サミットでは、冷戦中だった米国と旧ソ連の指導者、ゴルバチョフ書記長(当時)とロナルド・レーガン(Ronald Reagan)大統領が核軍縮を話し合い、準備委によると「核兵器全廃の合意まであと少しのところ」だった。
現在、核兵器保有国は推定2万基の弾頭を持っていると、ゴルバチョフ氏は語る。「われわれの文明をわずか数日で文字通り葬り去るのに十分な量だ」
包括的核実験禁止条約(CTBT)にはおよそ200か国が署名したが、米国や中国、インド、イラン、イスラエルなどの主な核保有国がまだ批准していない。
「現状が続くことを許してはならない。核実験の全面中止を定めた条約が効力を発揮しなければならない」とゴルバチョフ氏は呼び掛けた。(c)AFP