【9月11日 AFP】シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)は10日、内戦状態が続くシリアの第2の都市アレッポ(Aleppo)で反体制派が前週末に少なくとも20人の政府軍兵士を処刑したと発表した。

 処刑された兵士はアレッポ東部のハナノ(Hanano)地区にある軍事基地を反体制派が攻撃した際に捕虜となったという。AFPの取材に答えた同監視団のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)代表によれば、兵士らは前週末のある時点で、目隠しをされ両手を背後で縛られた状態で整列させられて銃殺された。

 動画投稿サイトのユーチューブ(YouTube)にアップロードされ、同監視団が再配信した素人が撮影したと思われる動画には、歩道に隣同士に横たわり死亡していると思われる男性約20人が写っている。その多くは頭が血まみれになっており、中には軍服ではなくジーンズをはいている人もいた。

 傍らに立つ反体制派の1人が片手で勝利を意味するVサインを出すと、別のメンバーは「アッラーフ・アクバル(神は偉大なり)!」と叫び、さらにもう1人が地面の兵士に向かって「この犬ども!このごろつきめ!」と罵倒の言葉を浴びせた。

 AFP特派員によれば、10日にはシリア軍のミグ(MiG)戦闘機がアレッポ一帯を急襲し、爆弾2発を投下した後に機銃掃射した。市上空には武装ヘリコプターも現れ、街は安全な場所を求めて逃げ惑う住民らでパニックとなったという。シリア人権監視団によれば、アレッポ各地区で同日午前中に行われた爆撃で少なくとも5人が死亡した。(c)AFP/Michel Moutot