【9月4日 AFP】内戦状態のシリアでは3日も各地で多数の犠牲者が出た。

 シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)によると、首都ダマスカス(Damascus)の南東に位置する主にキリスト教徒とイスラム教ドゥルーズ派の住民が暮らすJaramana地区で自動車爆弾が爆発し、少なくとも5人が死亡し、27人が負傷した。この地区では8月28日にも自動車が爆発して少なくとも27人が死亡していた。

 シリア北部の都市アレッポ(Aleppo)では同日、市中心部のAl-Sultan通りの住宅を政府軍が空爆し、子供7人を含む一家全員が死亡した。またアレッポのAl-Bab地区では避難所として使われていた建物が空爆され、シリア人権監視団によると少なくとも18人が死亡したという。この他にも犠牲者ががれきに埋まっている恐れもあるという。

■要人に動き

 シリアの反体制派組織、シリア国民評議会(Syrian National CouncilSNC)のアブデルバセト・サイダ(Abdel Basset Sayda)議長はスペインのマドリード(Madrid)で、民間人を守るためとして国際社会に武器の提供と人道目的の武力介入を求めた。

 赤十字国際委員会(International Committee of the Red CrossICRC)のペーター・マウラー(Peter Maurer)委員長は3日、ダマスカスを訪問した。3日間滞在する予定で、4日にはバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領、ワリード・ムアレム(Walid Muallem)外相らと会談する。主に避難民の人道問題について話し合うとみられる。

 シリア政府は2日夜、コフィ・アナン(Kofi Annan)前国連事務総長の後任として国連(UN)とアラブ連盟(Arab League)のシリア特使に就任したラクダール・ブラヒミ(Lakhdar Brahimi)氏が近くダマスカスを訪問すると発表した。ブラヒミ氏は英BBCのインタビューで自らの任務について「どれほど難しいことかは分かっている。不可能とは言わないが、ほとんど不可能だ」と述べ、今後の見通しについて厳しい見方を示した。

 米政府当局者はAFPに、デービッド・ペトレアス(David Petraeus)米中央情報局(CIA)長官が地域問題を協議するためトルコを訪問中だと語った。米国とトルコの当局者は10日余り前にアサド政権を終わらせることを目指した初の作戦計画会議を開いていた。(c)AFP