【8月27日 AFP】シリアの反体制派は26日、反体制派の武装勢力が態勢を立て直そうとしていた首都ダマスカス(Damascus)近郊のダラヤ(Daraya)を政府軍が5日間にわたって激しく攻撃し、女性や子供を含む多数を「虐殺」したと発表した。

 シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)は5日間で少なくとも320人が殺害されたとしている。前年3月に始まり1年5か月におよんでいるシリアの武力衝突のなかでも最悪の事態の1つになった恐れがある。

 反体制派の武装勢力がインターネットに公開した動画には、ダラヤの墓地やモスクの室内に、傷だらけになったり黒こげになったりした多数の遺体が並べられた様子が写っていた。ダラヤは人口約20万人で、主にイスラム教スンニ派の住民が暮らしている。

 反政府団体「地域調整委員会」(Local Coordination CommitteesLCC)は、これはバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権による「虐殺」で、多くの人が至近距離から撃たれて遺体は焼かれたと述べた。

 シリアの国営メディアは、政府軍がダラヤで「テロリストの残党を掃討した」と報じた。

■政権離脱説流れた副大統領が姿を現す

 一方、政権から離脱を試み自宅軟禁されているという情報もあったファルーク・シャラ(Faruq al-Shara)副大統領は26日、ダマスカスを訪れたイラン議会の外交委員長と会談し、ここ1か月あまりで初めて公の場に姿を見せて政権離脱説を打ち消した。(c)AFP