【8月15日 AFP】バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)シリア大統領の現政権から前週離反したリヤド・ヒジャブ(Riad Hijab)前首相は14日、ヨルダンの首都アンマン(Amman)で記者会見し、シリアの現体制は崩壊の過程にあり、その支配は国土のほぼ3分の1にしか及んでいないと述べた。

 ヒジャブ前首相はシリア政権の離反者としては最も高い地位にあった人物で、前週ヨルダンに入っていた。米国はアサド大統領の退陣を促すためシリアに厳しい制裁を科しているが、ヒジャブ氏の政権離反を受けて同氏に対する資産凍結措置を解除した。

 ヒジャブ氏は反体制派に加わるタイミングを計っている政府職員や軍人は多いと述べるとともに、内部の足並みがそろっていない反体制派には結束を求めた。欧米諸国は多数の政権離反者が出てシリアの現政権が崩壊し、シリア国内の戦闘が終わることを望んでいる。

 一方で専門家の間では、政府職員だけでなく軍部隊の大量離反がなければ、アサド大統領の一族や軍・治安機関の上層部は無傷のまま残るとみられている。(c)AFP/Phil Moore