【8月8日 AFP】複数の国連(UN)機関が7日明らかにしたところによると、政府軍と反体制派の戦闘が激しさを増しているシリアでは、国民への医薬品の供給や食糧援助が急務となっている。

 世界保健機関(World Health OrganizationWHO)のタリク・ヤシャレヴィチ(Tarik Jasarevic)報道官は「最近の衝突激化で、アレッポ(Aleppo)周辺やホムス(Homs)、首都ダマスカス(Damascus)周辺にある製薬工場が大きな被害を受けた」と述べ、原料不足や国際社会による制裁、燃料コストの増加も打撃となっていると話した。同報道官によるとシリアは最近まで、医薬品の国内需要の90%を自国で賄っていた。

 同報道官は結核や肝炎、高血圧、糖尿病、がんの薬、腎臓透析の設備が緊急に必要だと指摘するとともに、戦闘激化の影響で多くの病院や医療センターが閉鎖されており、燃料コストの上昇により医療従事者が移動できない状態だと説明。「われわれは医薬品を供給しているが、これだけではシリア全土の需要を満たすことができない。閉鎖された医療センターの穴埋めもできていない」と話した。
 
 世界食糧計画(%World Food ProgrammeWFP%%)は、最大規模の衝突や避難のあった地域を中心に郊外の住民約150万人に対し、今後3~6か月間の食糧援助が必要になるとの見通しを示した。(c)AFP