【7月23日 AFP】政府軍と反体制派の戦闘が激化しているシリアで22日、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領の弟が指揮する部隊がヘリコプターを使って首都ダマスカス(Damascus)近郊を攻撃した。

 大統領の弟、マーヒル・アサド(Maher al-Assad)氏が指揮する第4機甲師団がダマスカス近郊のBarzehを攻撃した。インターネット電話スカイプ(Skype)を通してAFPの取材に応じたアブ・オマル(Abu Omar)と名乗る活動家は、政府軍が同地の攻撃にヘリコプターを使ったと証言するとともに、「多くの世帯が自宅を離れて逃げようとしているが、包囲されているのでこの地区から出るのは難しい。地区周縁部の戦闘は激しい」と語った。

 シリア人権監視団のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)代表は、「恐怖感に駆られた第4機甲師団」は戦車と兵員輸送車でBarzeh地区に入り、建物の屋根に狙撃兵を配置したと語った。

 反体制派・自由シリア軍(Free Syrian ArmyFSA)の軍事委員長ムスタファ・シェイク(Mustafa Al-Sheikh)大将は、ダマスカスは「本当の消耗戦」になっている」と指摘し、「体制側は崩壊しつつあり、そのスピードは増している。体制側は自らを救おうとして暴力を激化させるだろう」と語った。

 一方、同国第2の都市アレッポ(Aleppo)でも戦闘があり、反体制派の指揮官は動画メッセージで、アレッポを「解放」する戦いが始まったと述べた。シリア人権監視団によると22日はシリア全土で民間人70人を含む94人が死亡した。この1週間の死者は1261人に上り、その4分の3は民間人だという。(c)AFP