【7月15日 AFP】シリア中部タラムセ(Treimsa)村で12日に150人超が虐殺されたと見られる攻撃について、国連シリア監視団(UN Supervision Mission in SyriaUNSMIS)は14日、主な標的は反体制派活動家の家だったとの見解を明らかにした。

 UNSMISは、同村が重火器で激しく攻撃された痕跡があったと述べた上で、「血だまりや血しぶき」が残っていたことに言及し、反体制派活動家の家が真っ向から攻撃を受けていたと指摘した。

 UNSMISによると、監視団のチームは14日に同村を訪れ、被害状況を視察した。報道官は、攻撃を実施した疑いのある当事者について具体的な言及を避けながら、「12日にタラムセ村で、多種多様な武器を使用した攻撃が発生したことを確認した」とコメントした。

 反体制派活動家らは、同村を攻撃したのは政府軍とアサド政権派の民兵組織「シャビハ(Shabiha)」だと主張。シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human RightsSOHR)のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)代表はAFP通信に対し、昨年3月に同国で反体制デモが始まって以来「最悪の虐殺」となった可能性があると語った。
 
 150人以上が死亡したことが事実であると確認された場合、死者数は5月25日に中部ホウラ(Houla)で起きた虐殺を上回る見込みだ。政府軍と民兵は、ホウラで少なくとも108人を殺害したとして非難されている。

 シリア軍は、タラムセ村で「武装テロリスト集団やその指導者の潜伏先」を狙った特別作戦を実施し、「大勢のテロリスト」が死亡したものの、民間人は殺害していないと主張している。(c)AFP