【6月14日 AFP】イラク各地で13日、爆弾を使った攻撃と銃撃が相次ぎ、少なくとも72人が死亡、250人以上が負傷した。死傷者の大半はシーア派の巡礼者だった。

 首都バグダッド(Baghdad)では爆弾による攻撃10件と銃撃事件2件が発生し、内務省と医療関係者によると、少なくとも28人が死亡、数十人が負傷した。

 バグダッド市内で最大の攻撃は、巡礼者らがテントの中で朝食を取っていた市内中心部カラダ(Karrada)地区で起きた。この攻撃で16人が死亡し、32人が負傷した。AFPの記者によると、現場では道路に遺体が散らばり、車や店舗が壊れた。

 イラク中部のヒッラー(Hilla)では爆発物を積んだ2台の自動車が爆発し、20人が死亡、51人が負傷し、バグダッドの北にあるバクバ(Baquba)とその周辺では一連の攻撃で10人が死亡した。北部の都市キルクーク(Kirkuk)では爆発物を積んだ3台の車が爆発して2人が死亡、少なくとも17人が負傷した。

 イラクの政界では、ヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)首相が独裁的な方向に動いているとして、同首相を引き下ろそうとする動きが数か月前から続いている。

 マリキ首相のウェブサイトは13日、「政治的立場の違いが治安に悪影響を及ぼす恐れがある」という同首相の声明文が掲載された。一方、マリキ首相の退陣を求めている政党の一つ、スンニ派世俗派政党連合「イラキーヤ(Iraqiya、イラク国民運動)」は、「治安維持は治安部隊を統率している政府とマリキ首相の責任だ」と述べた。

 13日の一連の攻撃は、74人が死亡した2011年8月15日以降では最悪の攻撃になった。イラクにおけるこの種の攻撃事件は2006~07年をピークに劇的に減ったものの、バグダッドなどを中心に依然としてよく起きており、公式統計によると、5月だけで132人のイラク人が犠牲になった。(c)AFP/Mohamad Ali Harissi and Laith Hammoudi

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