【5月22日 AFP】イエメンの首都サヌア(Sanaa)のサビーン広場(Sabeen Square)で21日、政府の中央治安維持部隊が翌日に予定されていた南北イエメン統一記念式典のリハーサルを行っていたところ、参加していた兵士1人が制服の下に隠し持っていた爆発物を爆発させ、96人が死亡、約300人が負傷した。

 医療関係者によると死傷者は全員が兵士だった。目撃者によると、爆発音はサヌアの広い範囲で聞こえ、住民の間でパニックが起きたという。現場近くにいたムハンマド・ナシル・アハメド(Mohammed Nasser Ahmed)国防相にけがはなかった。

 現場となったサビーン広場は、政府の大規模な軍事パレードの会場としてよく使われていた。中央治安維持部隊の司令官はアリ・アブドラ・サレハ(Ali Abdullah Saleh)前大統領のおいが務めていた。

 国営サバ通信(Saba)は、イエメンのアブドラボ・マンスール・ハディ(Abdrabuh Mansur Hadi)大統領が声明で、「どれだけの犠牲を払おうとも、テロとの戦争はテロを完全になくすまで続く」と述べたと報じた。21日の攻撃は、ハディ大統領が同国内で勢力を強める(Al-Qaeda)との戦いを掲げて就任した2月以降としては最も大規模なものになった。

 イエメンの国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系組織「アラビア半島のアルカイダ(Al-Qaeda in the Arabian PeninsulaAQAP)」が犯行声明をインターネット上のジハード(聖戦)関連のフォーラムに投稿した。イエメン国防相と、同国南部のアビヤン(Abyan)州のAQAP側の人々に対する米国の戦争の指導者を狙った攻撃だったとしている。

 イエメン軍はアビヤン州各地で12日から、アルカイダに制圧された町や都市を奪還するため攻勢をかけている。この攻勢でこれまでにアルカイダ戦闘員158人、軍人41人、地元の民兵18人、一般住民17人の計234人が死亡した。

 在サヌアの複数の西側外交官は、米国の専門家がイエメン軍に戦闘について助言していると話している。(c)AFP/Hammoud Mounassar