【4月26日 AFP】国連(UN)とアラブ連盟(Arab League)のシリア特使であるコフィ・アナン(Kofi Annan)前国連事務総長は25日、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権による反体制派弾圧が続くシリアに、300人強の停戦監視団本隊を早急に派遣することが急務だとの考えを示した。この日、少人数の監視団がシリア各地で活動を再開した。

 シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)によると、北西部のイドリブ(Idlib)ではバスが政府軍に銃で掃射され、4人が死亡した。25日はシリア全土で民間人9人が殺害されたと伝えられており、4月12日の停戦期限以降の死者数は300人近くに上っている。
 
 アナン氏は、テレビ会議システムを通じて参加した国連安全保障理事会(UN Security Council)の会合で、シリアでの流血を「容認できない」と述べ、停戦監視団が各地に入った後、流血の事態が増えていることに懸念を表明した。また、アサド政権は暴力停止の約束を依然履行していないと述べた上で、監視団300人を速やかに派遣することが急務だとし、「国際社会による継続的な圧力と関与が必要不可欠」と訴えた。

 だが、国連平和維持活動局(Department of Peacekeeping OperationsDPKO)のエルベ・ラドゥス(Herve Ladsous)局長は、シリア政府は、反体制派を支持するアラブ連盟加盟国と西側諸国からなる、いわゆる「シリアの友人(Friends of Syria)」からの監視団受け入れを拒否していると述べ、100人を配置するだけでも少なくとも1か月を要するとの見方を示した。(c)AFP