【4月22日 AFP】国連安全保障理事会(UN Security Council)は21日、アサド政権による反体制派弾圧が続くシリアに停戦監視団の本隊300人の派遣を承認する決議案を全会一致で採択した。

 今回採択された決議2043号では、潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)国連事務総長が安全性を判断し、当初の活動期間を90日間として国連監視団本隊が派遣される。

 一方、米国は今回の決議には賛成したが、当初任期の3か月が過ぎた後の派遣期間更新には賛成しない可能性を示すと同時に、アサド政権に対して国際社会がさらに圧力を強めるよう要請した。

 米国のスーザン・ライス(Susan Rice)国連大使はAFPの取材に対し、非武装の大規模な監視団を派遣する前に、潘事務総長はシリア情勢について「慎重な判断」を下さなければいけないと警告した。同大使は安保理での決議の後、「我々の忍耐は限界にきている。90日後に米国が派遣期間の更新に合意するとは、誰も想定すべきではない」と述べた。

 国連関係者によれば、シリアでは反体制派とそれを弾圧する政権側の衝突が続いているこの1年1か月の間に、ゆうに9000人以上が死亡しており、欧米諸国の国連大使たちは監視団派遣の危険性を強調している。

 シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)によると、反体制派の拠点となっている西部の都市ホムス(Homs)にシリア監視団の先遣隊が到着した21日も、シリア全土では民間人2人を含む少なくとも11人が死亡している。(c)AFP