【4月18日 AFP】アルジェリアで国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系の「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(Al-Qaeda in the Islamic MaghrebAQIM)」に誘拐され人質となっていたイタリア人女性マリア・サンドラ・マリアーニ(Maria Sandra Mariani)さんが17日、ブルキナファソで1年2か月ぶりに解放され、帰国の途に就いた。

 ジュリオ・テルツィ(Giulio Terzi)伊外相は声明の中で、「マリア・サンドラ・マリアーニさんは自由の身になった。家族にはつい先ほど伝えた。彼女の家族と同様に、私もこの素晴らしい知らせに大変満足し、安堵(あんど)している」と述べた。

 マリアーニさんはブルキナファソの首都ワガドゥグ(Ouagadougou)でイタリア政府が手配した特別チャーター便に乗り、18日の午前中にローマ(Rome)へと到着する予定。

 報道によれば、解放の知らせが伝えられた時、マリアーニさんの父親のリド(Lido)さんは涙を流し、またイタリア議会の議員らも一斉に拍手を送ったという。

 リドさんはフィレンツェ(Florence)の南方の町、サン・カシャーノ・イン・バル・ディ・ペーザ(San Casciano in Val di Pesa)の自宅にて、「公式発表が出た。娘のマリア・サンドラは自由の身で、もうすぐ家に帰ってくる」と語った。

 マリアーニさんは、アルジェリア南部のへき地を観光中だった前年2月2日に、同行していた運転手とガイドと共に誘拐された。治安当局の当時の発表によると、後に解放された運転手とガイドは「トヨタ(Toyota)製トラック2台に乗った14人の男たち」により連れ去られたと話していたという。

 イタリア外務省は解放の経緯に関して固く口を閉ざしている。報道官はAFPに対し、「外交と情報活動が行われていたが、詳細を明かすことはできない」と述べた。また、300万ユーロ(約3億2000万円)の身代金が支払われたとの一部報道について、外務省は強く否定した。(c)AFP/Dario Thuburn