【4月16日 AFP】(一部更新、写真追加)アフガニスタンの首都カブール(Kabul)などで15日、爆発や銃撃戦があり、同国の旧支配勢力タリバン(Taliban)は「春の攻勢の始まり」だとする犯行声明を出した。

 マシンガン、携行式ロケット砲、自爆用ベストなどで武装した戦闘員たちは大使館などが集まる地域に攻勢をかけ、米国、英国、ドイツ、日本の大使館の建物が攻撃を受けた。日本の共同通信(Kyodo)は、日本大使館の敷地内にロケット弾が着弾したが負傷者はなく、スタッフは近くの防空壕に避難したと報じた。

 議会も攻撃を受け、議員や警備員が銃を取って反撃した。ハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領は安全な場所に避難し、大統領府は閉鎖された。

 タリバンの報道官は、カブールとカブールに近い同国東部の3州で「同時攻撃」を行ったと述べた。カブール以外で攻撃を受けたのはローガル(Logar)州の政府の建物、ジャララバード(Jalalabad)の空港、パクティア(Paktia)州ガルデーズ(Gardez)の警察施設だった。

 内務省によると、合わせて武装勢力の戦闘員19人が死亡し、警察官14人と一般市民9人が負傷した。

 カブールで武装勢力は政府施設や外国の大使館などを見下ろせる建設中のビルなどに陣取り、午後から夜にかけて治安部隊と対峙(たいじ)した。

 15日の攻撃はカブールで起きた攻撃としては過去数か月で最大規模。タリバンは前年9月、カブールの米大使館や駐留軍本部を狙って19時間におよぶ攻撃をしかけ、少なくとも14人が死亡した。前年8月には英国の文化機関ブリティッシュ・カウンシル(British Council)が自爆攻撃を受け、9人が死亡している。

 北大西洋条約機構(NATO)が2014年末までに13万人の兵力を引き上げて治安権限をアフガニスタンに移譲する準備を進めているなか、今回の攻撃でアフガニスタンの不安定な治安に対する不安が高まった。(c)AFP/Mushtaq Mojaddidi