【4月12日 AFP】シリア政府は11日、反体制派に対する軍事作戦を12日午前6時(日本時間同日正午)から停止すると発表した。12日は、国連(UN)とアラブ連盟(Arab League)のシリア特使であるコフィ・アナン(Kofi Annan)前国連事務総長による調停で戦闘を終わらせる期限とされていた。

 アナン氏の報道官は、アナン氏がシリアのワリード・ムアレム(Walid Muallem)外相から軍事作戦停止についての文書を受け取ったと述べた。これには12日午前6時から、「武装したテロリストグループが民間人、政府軍、私有あるいは公共の財産を攻撃した場合は、相応した程度の反撃をする権利を留保しつつ、シリア全土で全ての軍事的な戦闘を停止する」と記されていたという。

 シリアの国営テレビは、「武装したテロリストグループによる犯罪行為と戦う作戦が成功裏に終了し、国内に国家の支配が確立したため」軍事作戦の停止を決めたが、反体制派による報復に備えて軍は待機するという国防省当局者の話を伝えた。

 一方、反体制派のシリア国民評議会(Syrian National CouncilSNC)は、シリア国民評議会も自由シリア軍(Free Syrian ArmyFSA)も停戦を順守するが、これまでにも約束を守らなかった政府側が本当に停戦するのか疑問だという見方を示した。

 シリア政府は10日までに部隊と重火器を居住地区から撤退させると約束していたが、この期限を守らなかったことから、米国務省のビクトリア・ヌーランド(Victoria Nuland)報道官は、「われわれはアサド政権をその言葉ではなく、その行動で判断する」と述べた。

 人権団体は11日も軍の攻撃は続き民間人14人が死亡しており、停戦合意が順守される兆候はないとしている。(c)AFP