【4月3日 AFP】南米コロンビアで2日、左翼ゲリラ「コロンビア革命軍(Revolutionary Armed Forces of ColombiaFARC)」に12年以上も人質にされていた警察官や兵士10人が解放された。解放された人質が到着した空港で、赤十字国際委員会(International Committee of the Red Cross)が発表した。

 赤十字によると、FARCの人質となっていた警察官6人、政府軍兵士4人は同国中東部メタ(Meta)県とグアビアレ(Guaviare)県の境界付近で解放され、ブラジル空軍が赤十字国際委員会などに提供したヘリコプターで、首都ボゴタ(Bogota)の南約110キロに位置するビジャビセンシオ(Villavicencio)の空港に搬送された。

 FARCは2月、今回の人質10人の解放と身代金目的の誘拐をやめることを発表していた。それ以前にもFARCは、中立性を確保するためとしてFARCが支援を要請したブラジルの助けを借りて人質約20人を自ら解放している。これ以外に、大統領候補だったイングリッド・ベタンクール(Ingrid Betancourt)氏の救出に成功した2008年7月の作戦など、コロンビア政府軍の強硬手段によって解放された人質もいる。

 その一方で、FARCと政府軍との戦闘は続いている。政府軍は前週、メタ県での戦闘でFARCの戦闘員とみられる少なくとも36人を殺害し、4人の身柄を拘束した。1964年に結成されたFARCは山岳地帯や密林で反政府活動を続けている。コロンビア政府の推計によるとFARCには約9000人の戦闘員がいる。また現在も100人を超える民間人がFARCの人質になっているとみられる。(c)AFP/Jose Bautista

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