【3月29日 AFP】スーダンと南スーダンは28日、全面的な武力衝突を回避するため、国境付近で26日に始まった戦闘を停止した。両政府によるとアフリカ連合(AU)が仲介した交渉が行われてきたエチオピアのアディスアベバ(Addis Ababa)で29日、両国高官が協議する。

 南スーダンは昨年7月にスーダンから独立したが、アフリカ連合が仲介した国境画定や石油権益などをめぐる交渉は難航していた。直近の協議は3月に入って一定の合意を得て終わり、大きな進展として評価されたものの、その後の両国関係は悪化していた。

 南スーダン側は、スーダンの爆撃機と地上部隊が26日に南スーダン北部のユニティ(Unity)州を攻撃したため反撃し、ヘグリグ(Heglig)油田を取ったと発表した。スーダンはその後同油田を奪い返した。両国はともに、ヘグリグ油田の一部は自国のものだと主張している。スーダン軍は27日も南スーダンへの空爆を行ったほか、地上でも戦車を使った激しい戦闘となり、南スーダン独立後としては最悪の武力衝突となった。

 アフリカ連合は28日、武力衝突の激化に深い懸念を表明し、両国軍に国境からそれぞれ10キロずつ後退するよう求めた。28日は地上部隊の戦闘は停止しているもようだが、ヘグリグには遺体や戦車の残骸が散乱している。今回の衝突について、両国ともに先に攻撃を始めたのは相手側だと主張している。

 この間アフリカ連合、国連安保理(UN Security Council)、欧州連合(EU)がそろって戦闘の停止を呼び掛けた一方で、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官は27日、今回の衝突の責任のかなりの部分はスーダン側にあると述べた。(c)AFP/Waakhe Wudu