【3月9日 AFP】ナイジェリア軍と英軍は8日、2011年5月にナイジェリア北西部ケビ(Kebbi)州で武装した過激派の男たちに拉致された英国とイタリアの男性2人の救出作戦を共同で実施したが、作戦は失敗し、拉致されていた2人は過激派に射殺された。

 拉致されていたのは英国のクリス・マクマナス(Chris McManus)氏とイタリアのフランコ・ラモリナラ(Franco Lamolinara)氏。両氏は拉致された当時、ナイジェリアの中央銀行のビルの建設に携わっていた。

 現地の住民らによると、救出作戦はナイジェリア北西部ソコト(Sokoto)州の州都ソコト(Sokoto)のビルの建設現場で実施され、銃撃戦が7時間ほど続いた。住民たちは過激派の男2人が銃撃戦で死亡したと話しているが、当局はこの情報を確認していない。

 ナイジェリアのグッドラック・ジョナサン(Goodluck Jonathan)大統領は、2人を拉致・殺害したのはイスラム過激派ボコ・ハラム(Boko Haram、西洋の教育は罪の意)で、関与したメンバー全員を逮捕したと発表した。この拉致事件へのボコ・ハラムの関与が明らかにされたのは初めて。

 これに先立ちデービッド・キャメロン(David Cameron)英首相は、2人の居場所について信頼できる情報を得たため救出作戦に踏み切ったと述べていたが、イタリア議会で情報機関の活動などを扱う委員会を率いるマッシモ・ダレーマ(Massimo d'Alema)元首相は、イタリアに作戦の事前通知がなかったことを問題視し、徹底的に調査する姿勢を示している。

 ナイジェリアの産油地帯ニジェール・デルタ(Niger Delta)地帯では身代金目的で外国人を誘拐する事件が相次いでいるが、主にイスラム教徒が暮らす同国北部でこのような事件は比較的珍しい。(c)AFP/Ola Awoniyi

【動画】拉致された2人(YouTube/AFPBB News公式チャンネル)