【3月5日 AFP】(一部更新)イエメン当局などによると、同国南部アビヤン(Abyan)州の州都ジンジバル(Zinjibar)南方で4日、軍と国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系武装勢力との間で激しい戦闘があり、少なくとも兵士78人と武装勢力側の戦闘員25人が死亡、多数が負傷した。ジンジバルでは前年5月からイスラム過激派と軍との戦闘が続いている。

 軍当局者によると、今回の戦闘は武装勢力がクド(Kud)にあるイエメン軍施設を襲撃したことがきっかけで起きた。この武装勢力の拠点に近いジャール(Jaar)の当局者によると、武装勢力の戦闘員25人を殺害した一方、将校や負傷者10人を含む少なくとも56人の兵士が武装勢力側に拘束されたという。

 イエメンでは前月25日、湾岸協力会議(Gulf Cooperation CouncilGCC)が仲介した権限移譲案に基づいてアリ・アブドラ・サレハ(Ali Abdullah Saleh)前大統領が退陣し、アブドラボ・マンスール・ハディ(Abdrabuh Mansur Hadi)大統領がアルカイダ勢力との戦いの継続を誓って就任したが、それ以降、治安部隊への攻撃が相次いでいる。

 新大統領の就任当日、南東部ハドラマウト(Hadramawt)州の大統領官邸の外でアルカイダの自動車爆弾による自爆攻撃があり、兵士26人が死亡。3日夜にも、首都サヌア(Sanaa)の南西170キロにあるBaydaで自爆攻撃があり、治安当局者によると共和国警護隊(Republican Guard)の兵士が死亡した。その数時間後には、ハドラマウト州で警察官がアルカイダのメンバーとみられる集団に射殺されている。

 さらに軍関係者によれば、首都南東に位置するラダ(Rada)で4日、サレハ前大統領率いる国民全体会議(General People's CongressGPC)の支部長アブドラ・イドリス(Abdullah Idris)氏の車が爆発し、イドリス氏が重傷を負ったという。(c)AFP