【2月25日 AFP】シリアのアサド(Bashar al-Assad)政権による反体制派弾圧が激化する中、赤十字(Red Cross)は24日、同国中部にある反体制派の拠点ホムス(Homs)に入り、負傷者の搬送に着手すると発表した。西側諸国とアラブ各国は、事態の打開へ向け、シリアへの外交圧力を強めている。

 赤十字と赤新月社(Red Crescent)は、ホムスのババアムル(Baba Amr)地区に救急車3台を手配し、シリア政府軍の爆撃で負傷したシリア人7人を搬送した。負傷した欧米の記者2人と、死亡した記者2人の遺体の搬送にはまだ至っていないという。 

 赤十字国際委員会(International Committee of the Red CrossICRC)のサレ・ダバケ(Saleh Dabbakeh)広報はAFPに対し、「すぐに治療が必要な人は1人残さず避難させられるよう、シリア当局や反政府勢力と交渉を続ける」と首都ダマスカス(Damascus)で述べた。

 一方、チュニジアの首都チュニスで米欧やアラブの有志国によって開かれた「シリアの友人(Friends of Syria)」会合に参加した60人以上の外相らは、シリア政府が弾圧を即座に停止するよう要求し、同国政府への制裁を強化することで合意。米国のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)国務長官はシリア政府が国際社会の意思を無視すれば、「大きな代償」を払うだろうと警告した。(c)AFP/Michael Mainville

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