【2月23日 AFP】(一部更新、写真追加)人権団体「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、シリア反体制派の拠点となっている中部ホムス(Homs)・ババアムル(Baba Amr)地区で22日、政府軍の砲撃により欧米のジャーナリスト2人を含む民間人少なくとも24人が死亡した。

 フレデリック・ミッテラン(Frederic Mitterrand)仏文化・通信相が同日明らかにしたところによると、死亡した欧米の記者2人は、英サンデー・タイムズ(Sunday Times)の米国人ベテラン戦争特派員メリー・コルビン(Marie Colvin)氏と、フリーランスの仏人報道写真家レミ・オシュリク(Remi Ochlik)氏。

 現地の活動家によると、反体制派が設けた臨時のメディアセンターが砲撃を受け、死亡した2人の他3人が負傷したという。

 仏紙フィガロ(Le Figaro)は、同紙のエディット・ブービエ(Edith Bouvier)記者が脚を負傷したと発表。また、サンデー・タイムズを所有する米メディア王ルパート・マードック(Rupert Murdoch)氏は、同紙の報道写真家ポール・コンロイ(Paul Conroy)氏が負傷したと述べた。

■相次ぐジャーナリストの死傷

 コルビン氏は、30年以上にわたり数多くの紛争を取材してきた著名記者で、2010年にはブリティッシュ・プレス・アワード(British Press Awards)の優秀外国人記者に選ばれた。スリランカ内戦の取材の際に片目を負傷し、眼帯を付けていた。一方、オシュリク氏は28歳で、フランスで共同設立された機関「IP3」のカメラマン。アラブ諸国における最近の動きを追っていた。

 ホムスでは前月にも、当局が主催した取材ツアーで抗議デモを取材していた仏テレビレポーター、ジル・ジャキエ(Gilles Jacquier)氏が砲撃で死亡している。また活動家がAFPに語ったところによると、21日夜にはババアムルから現地の状況をインターネット・ライブで伝えていたシリアの市民ジャーナリスト、ラミ・サイード(Rami al-Sayyed)氏の乗っていた車にロケット弾が当たって死亡した。

 活動家によると、政府軍によるホムスへの砲撃は22日で19日目になった。人道支援を可能にするため、停戦を求める声が高まっている。(c)AFP

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