【1月27日AFP】 爆弾や銃撃によるイスラム過激派の攻撃が続くナイジェリア北部のカノ(Kano)で26日、ドイツ人技術者が武装グループに拉致された。

 イスラム過激派「ボコ・ハラム(Boko Haram、西洋の教育は罪)」の犯行とされる攻撃が相次ぐ中で、カノでは同日も爆発が起き、住民を不安に陥れている。
 
 拉致されたのは、カノ近郊の建設会社と仕事をしているドイツ人技術者のエドガー・ラウパッハ(Edgar Raupach)氏。現地警察のマガジ・マジア(Magaji Majia)報道官は、複数の男が同氏に「手錠をかけ、車のトランクに入れて連れ去った」と発表した。ラウパッハ氏はナイジェリアの建設会社Dantata社とSawoe社に所属している。ナイジェリアのドイツ大使館高官はAFPの取材に対し、警察の説明を確認中だと述べた。

 ナイジェリア北部で外国人が拉致されることはまれで、今回の拉致にボコ・ハラムが関与したことを示す手がかりは今のところない。

 ただし、カノで20日に起きた連続爆弾攻撃や銃撃については、ボコ・ハラムの広報担当とみられる人物がこれまでに犯行声明を出している。20日の攻撃は主に警察署を狙ったもので、少なくとも185人が死亡した。

 ボコ・ハラムの自称リーダー、アブバカル・シェカウ(Abubakar Shekau)氏は動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」に投稿されている映像で、ナイジェリア政府がイスラム教徒への迫害を続ければ、報復のためにさらに攻撃を加えると語っている。また、学校や大学も攻撃対象になりうると述べている。この映像では、カラシニコフ銃の前に立つシェカウ氏が現地語のハウサ語で話している。

 警察の報道官によると26日、カノではバス停でも爆発があり、現地の治安は極めて悪化している。この爆発では死者はなく、現地メディアは5人が負傷したと報道している。(c)AFP/M.J. Smith