【1月24日 AFP】リビア西部バニワリド(Bani Walid)で23日、最高指導者だった故ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐派の残党勢力が同国を暫定統治する国民評議会(NTC)派民兵の拠点を攻撃し、バニワリドを掌握した。NTC関係者がAFPに明らかにした。だが、内務省はこの事実を否定している。

 首都トリポリ(Tripoli)南方170キロにあるバニワリドは、カダフィ大佐が拠点としていた都市。前年10月23日にリビア全土の解放が宣言されて以来、カダフィ派側による大規模な武力攻撃は初めて。

 NTCのメンバーだったM'barek al-Fotmani氏によると、カダフィ派残党勢力は23日白昼、バニワリドのNTC基地を攻撃。NTC軍司令官を含む5人が死亡したほか、30人あまりが負傷し、バニワリドのほぼ全域がカダフィ派残党に掌握されたという。

 だが、リビアのテレビに出演した暫定政府のファウジ・アブデラリ(Fawzi Abdelali)内相は、バニワリドで起きた戦闘は前年のカダフィ派と戦った市民らの報酬をめぐる内輪もめによるもので、カダフィ派は関与していないと語った。その一方で、5人の死者が出たことは認めた。

 リビアでは前週にも、ベンガジ(Benghazi)で暫定政府に不満をもつ群衆による抗議デモが起きている。(c)AFP/Imed Lamloum