【1月15日 AFP】国連の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は15日、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領に対し、自国民の殺害をやめるよう呼び掛けた。

 潘事務総長は、レバノンの首都ベイルート(Beirut)で開かれたアラブ世界の民主化をめぐる会議で基調講演し、「シリアのアサド大統領に対し再度告げる。暴力をやめなさい。自国民を殺すのをやめなさい。弾圧の進む道は行き止まりだ。変革の風はやむことがないだろう。チュニジアでともされた炎は消えることはないだろう」と呼び掛けた。

 国連・西アジア経済社会委員会(Economic and Social Commission for Western AsiaESCWA)の主催した「民主化への改革と移行(Reform and Transitions to Democracy)」会議は、ベイルートで15日開幕。独裁政権下に置かれていた国々から多数の政府要人が参加している。

 会議ではアラブ連盟(Arab League)前事務局長でエジプト大統領候補のアムル・ムーサ(Amr Mussa)氏や、トルコのアフメト・ダウトオール(Ahmet Davutoglu)外相らが講演を行う。会議前夜には、潘事務総長とダウトオール外相がシリア危機の「危険な進路」をめぐり話し合っていた。

 国連は、アサド政権が11か月前に反体制デモの弾圧を開始して移行、これまでに5000人以上が死亡したと推計している。(c)AFP