【11月20日 AFP】リビアのアブドルラヒム・キーブ(Abdel Rahim al-Kib)暫定首相は19日、3か月の捜索の末、同国元最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の次男セイフイスラム(Seif al-Islam Kadhafi)氏を拘束したと述べ、「公平な裁判」が行われると発表した。

 セイフイスラム氏には、6月に国際刑事裁判所(International Criminal CourtICC)が逮捕状を出している。国際社会は、リビアの暫定統治機関「国民評議会(National Transitional CouncilNTC)」に対し、ICCと協力するよう要請した。

 セイフイスラム氏はリビア南部で拘束された。公開された映像には、同国北西部、首都トリポリ(Tripoli)南西のナフサ(Nafusa)山脈にある町ジンタン(Zintan)に航空機で身柄を移送され、ジンタンの拘束施設に連行されるセイフイスラム氏の姿が映し出されていた。先住民族のベルベル人が多いジンタンは、8月の反体制派の首都攻勢で拠点となった町。

 茶色のマントと帽子を身につけたセイフイスラム氏は、小さな空港に集まった群衆の間を、無表情で進んだ。群衆には8か月の反体制運動の戦闘員だった者も多く、セイフイスラム氏に詰めかけて殴りかかる者もいたが、セイフイスラム氏が私刑にあうことはなかった。

 キーブ暫定首相は、ジンタンで行った会見で、「セイフイスラム氏と同行者らに対し、国際的な権利や規範が適用される公平な裁判を行うことを、国民と国際社会に約束する」と語った。(c)AFP/Imed Lamloum

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