【11月16日 AFP】シリアは15日、反体制デモに絡んで逮捕した政治犯1180人を釈放した。シリアの参加資格停止を発表したアラブ連盟(Arab League)をなだめるための土壇場の努力と受け止められている。

 アラブ連盟は12日、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領がアラブ連盟と合意した和平案を実施するまで、シリアの参加資格を停止すると発表した。和平案には、政治犯の釈放も盛り込まれていた。

 一方で、シリア外務省は15日夜、モロッコで16日に開かれるアラブ連盟の会合をボイコットすると発表した。シリアの参加資格は、この会合で停止されることになっている。

■14日には70人以上が死亡、デモ開始以降の死者数は3500人に

 人権団体によると、シリアでは14日、政府による反体制派の弾圧で70人以上が死亡した。3月中旬に反体制デモが始まって以来、1日の死者数としては最多の部類に入る。国連によると、デモ開始以降の死者数は3500人を超えた。

 翌15日、国連の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は、アサド大統領はアラブ連盟との和平案を守り、自国民の殺りくをやめなければならないとの談話を発表した。

 一方、米政府は、アラブ連盟の首脳に対し、シリアへの圧力強化を要請した。(c)AFP

【関連記事】アラブ連盟、シリアの資格停止 制裁呼び掛け