【11月14日 AFP】中国南部、広東(Guangdong)省の村で12日、土地をめぐるいざこざが暴動に拡大した。現地の警察が13日に発表した。新聞報道によれば、鎮圧のために数千人規模の機動隊が動員された。
 
 広東省中山(Zhongshan)市の警察が、中国版ツイッター「新浪微博(Sina Weibo)」で発表した情報によると、12日にYilongという村の住民たちが工業団地に大挙して押し寄せ、「暴力、破壊、略奪、放火」など行ったという。これらは暴動の際によく用いられる言葉だ。

 警察は、この村の一部の住民たちが8月から、2つの地区の間にある土地の賃貸契約をめぐるトラブルが長引いていることを口実に、この工業団地の生産を妨害していた、としている。警察は暴徒の人数は明らかにしていない。

 香港(Hong Kong)紙、東方日報(Oriental Daily News)によると、暴動には数千人の住民が加わり、「怒りにまかせて工場2棟を燃やし」、「地元当局は機動隊3000人を派遣した」が、住民たちは火炎瓶を投げたり、ガスボンベに火をつけたりして警察に応戦したという。

 同紙は暴動のきっかけについて、問題の土地を個人的利益のために売却しようとした村の指導者たちに対する怒りだと説明している。

 東方日報は住民3人が殴打されて死亡したと報じたが、この村を管轄する中山市の警察は、死者は出ておらず、暴動は鎮圧されたと新浪微博で発表した。

 AFPでは暴動の発生した村の警察に取材を試みたが拒否された。中山市の警察と市当局の談話も得られなかった。中国では経済発展に取り残された人びとや、公務員の腐敗に怒った人々が街頭に繰り出して怒りを表す大規模な抗議行動が相次いでいる。(c)AFP