【11月13日 AFP】アラブ連盟(Arab League)は12日、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領がアラブ連盟と合意した和平案を実施するまで、アラブ連盟におけるシリアの参加資格を停止することを決めた。また、シリアへの経済制裁を呼び掛け、シリア反体制派と政権移行をめぐる会合を始めることを呼び掛けた。

 カタールのハマド・ビン・ジャシム・ビン・ジャブル・サーニ(Hamad bin Jassem bin Jabr al-Thani)首相は、アラブ連盟の声明を読み上げ、「アラブ連盟会合におけるシリア代表団の活動を停止する」ことが決まったと発表し、シリア政府に対する「経済的・政治的制裁」を実施すると述べた。またハマド首相は、資格停止は「アラブ連盟が提案し、11月2日にシリア政府が合意した危機解決策を完全に実施するまで」続くと述べた。

 これに大使、シリアのユセフ・アフマド(Yussef Ahmad)連盟大使は、シリア政府はすでに合意案を実施していると主張。この決定が違法であると批判し、資格停止を指示したのは米国だと非難した。さらに、アフマド大使は「(アラブ連盟が)リビアと同様に、シリアへの外国の介入を誘発させようとしている」と批判した。

 一方、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領はアラブ連盟の決定を歓迎。欧州連合(EU)のキャサリン・アシュトン(Catherine Ashton)外交安全保障上級代表も全面支援を約束した。また、シリア反体制派の共同戦線「シリア国民評議会(Syrian National CouncilSNC)」は、「正しい方向への一歩」と述べた。

■シリア首都では大使館にデモ隊殺到

 サウジアラビアの国営サウジ通信(SPA)によると、シリア首都ダマスカス(Damascus)では、激怒したデモ隊がサウジアラビア大使館に投石を行い、一部デモ参加者は大使館内部に侵入し、窓を割って施設を破壊したという。

 また、AFPカメラマンによるとデモ隊はカタール大使館でも門を破壊し、大使館に侵入して同国の旗を降ろしてシリアの旗を掲げた。(c)AFP/Samer al-Atrush