【11月4日 AFP】英国に本部のある「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、シリア政府が反体制デモ弾圧の停止に向けたアラブ連盟(Arab League)の和平案に合意した翌日の3日、シリア軍が民間人20人を殺害、数十人を逮捕した。

 犠牲になったのは中部ホムス(Homs)周辺で行われたデモの参加者で、軍が戦車から機関銃を発射したという。

 シリア政府はアラブ連盟の和平案のもとで、反体制派の拠点から軍を撤退させると約束していた。

 一方、反体制派の共同戦線「シリア国民評議会(Syrian National CouncilSNC)」は同日、カイロ(Cairo)でアラブ連盟のナビル・アラビ(Nabil al-Arabi)事務局長と面会し、シリア政府は約束を守るつもりはないようだと憂慮を表明した。

 アラビ氏によると、和平案は、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領に対し反体制派との対話も求めている。だがSNCは会見で、「欲しいのは対話ではなくアサドの辞任だ」と述べた。

 人権活動家らは、シリア政府が和平案への合意を反故にしたかを「テスト」するための大規模デモを、4日に呼び掛けている。(c)AFP

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