【8月30日 AFP】アルジェリア外務省は29日、リビアのムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の夫人と子ども3人が同国に逃れたことを明らかにした。

 国営アルジェリア通信(APS)が放送した同省の声明によると、サフィヤ(Safiya Kadhafi)夫人と娘のアイシャ(Aisha Kadhafi)さん、息子のハンニバル(Hannibal Kadhafi)氏とムハンマド(Mohammed Kadhafi)氏、およびそれぞれの子どもたちが、同日午前8時45分(日本時間同午後4時45分)、陸路アルジェリア入りしたという。カダフィ大佐の居場所については言及しなかった。

 一方でイタリアのANSA通信は同日、「リビアの信頼できる外交筋の話として」、カダフィ大佐と次男セイフイスラム(Seif al-Islam Kadhafi)氏、三男サーディ(Saadi Kadhafi)氏はリビアの首都トリポリ(Tripoli)南方のバニワリド(Bani Walid)に潜んでいると報じた。

 アルジェリアはこれまでのところ、リビア反体制派の「国民評議会(Transitional National CouncilTNC)」を承認しておらず、リビアの紛争に関しては中立的な立場を崩していない。リビア反体制派からは、カダフィ政権を支援しているとしてアルジェリア政府を非難する声も挙がっている。

 アルジェリア外務省の発表後、国民評議会はただちに、家族の身柄を引き渡すようアルジェリア政府に訴えた。

 一方、国民評議会は同日、カダフィ大佐の七男ハミス(Khamis)氏がトリポリの南80キロのタルフナ(Tarhuna)付近で殺害され、埋葬されたと発表した。(c)AFP/Dominique Soguel