【8月29日 AFP】イラクの首都バグダッド(Baghdad)で28日夜、イスラム教スンニ派のウンムクラ(Umm al-Qura)モスクで自爆攻撃があり、内務省によると議員1人や子どもを含む28人が死亡し、37人が負傷した。一方、国防省の発表では死者29人、負傷者35人となっている。

 自爆犯は包帯を巻いた高齢の男性で、礼拝者の中に紛れ込み、大勢の人がいるところで着ていたベストに仕込まれていた爆発物を爆発させた。自爆攻撃で死亡した議員は、イラク西部アンバル(Anbar)州選出の世俗派政党連合「イラキーヤ(Iraqiya)」議員。バグダッドの治安当局者は、国際テロ組織「アルカイダ(Al-Qaeda)」による犯行と非難した。
 
 バグダッド西部にあるこのモスクはスンニ派のモスクとしては同市内で最も大きく、イラク国内のスンニ派宗教施設を統括する団体の本部でもある。このモスクのトップは暴力的な過激主義に反対する説教で有名で、米軍に協力してアルカイダに対抗するスンニ派部族らの治安組織「覚醒評議会(Awakening、サフワ、Sahwa)」の創始者の1人だったため、アルカイダから何度か殺害予告を受けていた。

 イスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」明けと、これを祝う「イード・アル・フィトル(Eid al-Fitr)」を数日後に控えたこの日はイラク各地で攻撃が相次ぎ、計35人が死亡した。(c)AFP/Salam Faraj