【8月27日 AFP】米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)は26日、シリア情勢の混乱に乗じて化学兵器や長距離弾道ミサイルがテロ組織の手にわたる恐れがあることから、米国とイスラエルがこうした兵器の関連施設を監視していると報じた。

 両政府関係者の話として同紙が報じたところによると、米情報機関はシリアが大量のマスタードガス、VXガス、サリンガスなどの非通常兵器や、これらを搭載するミサイルや砲弾などを開発していたとみている。最近では国際原子力機関(IAEA)も、「イスラエルが2007年に空爆したシリアの施設は、北朝鮮の協力を得て極秘に建設された原子炉だった可能性が非常に高い」と結論づけている。

 米国と国連の核不拡散担当官たちは、北朝鮮がそれ以降もシリアに核関連機器の提供を続けた可能性を憂慮しているとWSJは報じた。同紙によると、米国とイスラエルの高官らは、監視の手段については明らかにしていないが、両国は以前から衛星や情報員を使ってシリアの軍事施設を監視してきたという。
 
 現役および引退した米政府高官らによると、シリアには化学兵器製造施設が少なくとも5か所ある。しかし、これらの施設はダマスカス(Damascus)、ハマ(Hama)、ラタキア(Latakia)、アレッポ(Aleppo)などシリア全土の都市に分散していることから追跡は難しいという。WSJによると、こうした製造施設はスカッドミサイルを格納する軍施設内にある場合もある。(c)AFP

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