【8月23日 AFP】リビアの反体制派勢力は22日、首都トリポリ(Tripoli)の大半を制圧し、国民評議会(Transitional National CouncilTNC)のムスタファ・アブドルジャリル(Mustafa Abdel Jalil)議長は「カダフィの時代は終わった」と宣言した。

 東部ベンガジ(Benghazi)で会見したアブドルジャリル議長は、北大西洋条約機構(NATO)の軍事的支援に謝意を述べた上で、人道に対する罪で国際刑事裁判所(International Criminal CourtICC)から逮捕状が出ている最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の拘束こそが「勝利の瞬間だ」と強調。また、カダフィ大佐が公正な裁判を受けられるよう、「生きたままでの拘束を望む」と発言した。

 カダフィ大佐の居場所については、国外に逃亡したかの判断は難しいとした上で、トリポリの自宅にとどまっている可能性を指摘した。

 カダフィ大佐は21日、反体制派がトリポリ中心部に到達して「緑の広場(Green Square)」などを制圧する中、音声メッセージを3回出し、降伏を拒絶すると同時にトリポリ市民に「首都の浄化」を呼びかけた。大佐はこの数週間、大衆の前に姿を見せていない。

 反体制派のスポークスマンは22日、トリポリの国営放送局も掌握したことを明らかにしている。

■大佐の長男が逃亡

 一方、反体制派が21日にトリポリで拘束したカダフィ大佐の長男、ムハンマド・カダフィ(Mohammed Kadhafi)氏が逃亡したと、反体制派の幹部が22日明らかにした。ムハンマド氏はカダフィ政権内の重要人物というよりは、同国有数のビジネスマンとして知られている。(c)AFP

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